エムベアレス 第5章.万引き犯・結衣

午後6時に本番が始まった。
先ずは、結衣の声を担当する声優さんのモノローグから芝居は始まる。

「私は、都内の音楽大学に通う女子大生の結衣。」
「家は裕福で自分で言うのも何だけど、いわゆるお嬢様。」
「お小遣いも十分過ぎる程、貰っている。」

「でも、欲しいものはたくさんあるの。」
「お金はいくらあっても足りないわ。」
「だから、つまらない物にはなるべくお金は出したくない。」

「それに、100均で2~3点だけ買うのも、なんだか惨めじゃない?」
「盗られる方だって、たかが1個100円でしょう?」
「だから万引きしちゃった・・」

「絶対、見つからない自信があったんだけど、店を出たらあっさり捕まっちゃって、今はこってり油を絞られている所。」

「ああ、何て運が悪い日なの。」
「とにかく、得意の嘘泣きで謝って、許してもらおう♪」

ここでステージ上が照明で照らされ、事務机の前に座った結衣と、机を挟んで結衣の向いに座った警備員姿の杏子が現れた。

結衣はアテレコのセリフに合わせ、目を指で押さえながら俯き、泣いているフリをする。

杏子が芝居を始めた。
「じゃあ、よく反省しているようだから、今回に限り、大目に見てあげます。」
「二度とするんじゃないわよ。」
「今度したら、今回の分と併せて刑事告訴しますからね。」

結衣は、アテレコの「はい・・」という声に合わせて、コクリと頷く仕草をする。

「ただし、今からあなたが書いた住所・氏名・電話番号が本当かどうか確認するから。」
「もし、ここに書いたものが嘘だったら、今の話は取消。」
「あらためて徹底的に取り調べします。」

「本当のことを話すなら今のうちよ。」
「どう?・・・本当に嘘、偽りは書いていないのね?」

杏子がそう言いながら手にした書類を結衣の前にかざすと、結衣はまたも、「はい・・」と言う声と共に頷いた。

「わかった。」と言って杏子は立ち上がると、セットのドアを開けて舞台からはけていく。

残された結衣は、「どうしよう~」というアテレコが言う心の声に合わせて、肩を落として項垂れ、途方に暮れているという演技をした。

「やばいよ~、どうしよう~、ここから逃げなきゃ・・」
というアテレコの声に合わせ、結衣は部屋の中を見回す仕草をする。

(ここしか、逃げられるところはなさそう・・・)
という声に合わせ、結衣は窓に近づき、窓を開ける仕草をした。

その時、いきなりドアが開いて杏子が現れた。
実は、ここから結衣のアドリブ芝居が始まるのである。

「こらっ!! 何をしている?」
「さては、逃げようとしていたな。」

杏子はそう言いながら、結衣を取り押さえる仕草をし、再び椅子に座らせた。

「今、調べたが、お前が書いた住所や名前は全部デタラメじゃないか!!」
「この嘘吐きめ。」
「嘘吐きの盗っ人め。」

「お嬢様だと思って、優しくしてやればつけ上がりやがって。」
「もう、許さん!」
「今から、尻の穴までひん剥いて、徹底的に調べてやるから覚悟しろ。」

ここで杏子は腕組みをして、結衣を睨み付けたまま動きを静止させた。
すると、あらかじめ録音してあったのであろう。
今度は杏子の心の声が、スピーカーから場内に流れる。

「この小娘、どうしてくれようか?」
「先ずは身体検査をして、オ○ンコやお尻の恥ずかし~い穴に指を入れて、思い切り、グリグリしてやるわ。」
「でも、ただ検査するだけじゃ、私の腹の虫は収まらない。」
「そうね・・取り敢えず、思いきっり、恥ずかしい格好をさせてと・・・」

音声が終わると、杏子は静止状態から解き放たれたかのように動きだし、指を鳴らしながら、「黒子、カモン。」と言った。

すると、ドアが開き、黒装束、黒覆面に身を包んだ黒子が舞台に現れる。
実は、堀越が扮していたのだが。

「黒子、手伝って。」

杏子がそう言うと、結衣を机の上に仰向けに寝かせ、黒子に押さえつけさせた。
次に杏子は結衣の下半身からスカートと下着を剥ぎ取り、結衣の下半身をスッポンポンの状態にする。

杏子はあることか、その状態の結衣の両脚を掴み、まんぐり返しをするように結衣の頭部まで折り曲げて黒子に押さえておくよう命じた。

なおかつ杏子は、机の引き出しから紐を取り出すと、その紐で結衣の両手首を膝下で交差する形に縛ってしまった。

つまり結衣は、机の上でまんぐり返しのままの姿勢で固定され、しかも、客席にお尻を向けているので、結衣の陰部は観客から丸見え状態となったのである。

しかも、ステージの上にはスクリーンが備えてあり、そこには結衣の局部がアップで映し出されているではないか。

結衣の耳にも観客からのどよめきが伝わり、また、仰向けに寝ているので頭上にあるスクリーンにも気がつき、自分がどのような状態に置かれているかを理解した。

(私のアソコを、みんなに・・見られているー!?)

黒子がステージからはけると、杏子は結衣を見下ろしながら忌々しそうな口調で宣告した。

「ふん、恥ずかしいかい?」
「これも、私を騙そうとした罰さ。」

「今から、お前の恥ずかしい場所を皆さんに見てもらいながら検査するから覚悟するんだ。」
「お前のような嘘吐きは信用できないから、まだ何か隠しているかもしれないからね。」

「女には体の中に隠せる場所が多いし・・」
「オ○ンコや尻の穴に何か隠していないか、よおく調べてやるから、大人しくしていな。」
「素直に言うことに従わない場合は、警察を呼ぶからね。」

杏子はそう言うと、机の引き出しから医療用のゴム手袋を取り出し、手際よくはめた。
結衣は、杏子に陰部を広げられ、思わず、「あ~」と情けない悲鳴を上げる。

すると、その声が会場にも流れ、結衣はいつの間にか自分のピンマイクがONになっていることに気付いた。

そして、いよいよ芝居の本筋が幕を開けたことを悟る。
(ここからが、100万円の仕事というわけね・・)と、結衣も覚悟を決めざるを得なかった。

「あ~、何するんですかあ? やめてください・・」
と言うアテレコの声が、急に聞こえてきた。

すると、杏子がいきなり結衣のお尻をピシャリと叩く。
「こらっ! 大人しくしろと言った筈だ。」

そう杏子から叱責され、(うう・・私が言ったんじゃないのに・・)と結衣は心の中で嘆いた。
お尻がヒリヒリと痛むが、手を縛られているので撫でることも叶わない。

杏子は、次いで結衣の肛門を広げ、しげしげと観察を始める。

同時に、結衣の肛門は舞台上部に備えられたスクリーンにアップで映し出され、皺の数まで数えられそうな鮮明さに観客は固唾を飲んで見守っていた。

杏子は次に潤滑剤らしきものを指に塗ると、結衣の陰部に無遠慮に侵入させ、少しずつ探りながら次第に奥深く指を埋める。

「ああ、いやあ~」と結衣は自分の悲鳴が場内に流れるのを聞き、次いで、「ごめんなさあい。もう、許してえ~」と哀願するアテレコの声を聞いた。

だが、杏子は容赦なく検査を続け、一旦引き抜いた指を今度は肛門に突き刺した。

(ううん・・)と声にならない呻き声を上げただけの結衣だったが、アテレコは艶めかしい声で結衣の心中を代弁していた。

「ああ・・指が・・、お尻の中に・・入っているん・・」
「しかも・・みんなに見られている・・・」
「恥ずかしいよ~、もう、お嫁に行けない・・・」

杏子は、たっぷりと時間を掛けて結衣のお尻の中をまさぐった後、ようやく指を引き抜いた。

だが、結衣の受難はこれで終わった訳ではなかった。
いや、むしろ、ここからが本番であったのだ。

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